ピアノ「調律」と「修理」は別物。のよもやま話。

「ピアノ調律師」と「ピアノ修理士」は実は別物。

この記事は、上手に書かないと物議を醸しそうなので慎重に書きます。

昨日、虎の巻校の「ムジカアシード志木校」にピアノ修理士さん兼調律士さんがお見えになりました。

私がピアノを購入、修理を依頼しているのはこちらの方。

昭和楽器 さん。

私たち「ボイストレーナー」と非常によく似たお仕事、少なくとも私の周りにボイストレーナーさんと本当にスタンスが良く似ているお仕事をされます。

楽器は生き物。その楽器の良い部分を引き出してあげるのが「ピアノ修理士の仕事」

始めは、ただ単に中古のピアノを探していてフラッとそのお店まで見に行ったのがきっかけでした。ですが、そのお店に置いてあるピアノの調律のすばらしさに愕然としました。

普通、倉庫にあるピアノって湿気、光、の加減で調律がボロボロ木材が膨張当たり前。

なので、「これは調整されたら良くなるピアノかしら?」って言う所で手を打つ人も少なくないはず。

しかし、昭和楽器さんのピアノはどれも 調律が新品同様。

「これ本当に何十年も前のピアノですか?」と思わず聞いてしまいたくなります。

このピアノを修理するのになんだかんだ 80万必要です。といわれた修理がもしかしたら1万円の修理で済む可能性も・・・

ここから先は、本当に慎重に扱わなくてはならないネタなのですが・・・・。

その方も仰っていました。

名誉のために書きますが

「僕がもし、その会社の社員なら同じようにピアノを勧めなくてはならないのです。僕は今たまたまピアノの修理士としてお客様と歩んでいるだけで・・・」と仰るのです。

その真意は、

例えば○○音楽教室という企業で講師をしていた私だからわかりますが、

楽器店の音楽教室は、メインは 「教室」ではなくあくまで「楽器」なんですね。

要は、ピアノ教室に入って 「そろそろピアノが必要だ」という生徒さんが当然ターゲットなわけです。

新品が売れなければ困ってしまう。だから「買い替えを勧めます」

私も若いころは勘違いをしていました。

「楽器は古いものはダメ」「新しいものでなくては」と。

ですが、今ピアノの材料となっている「木材」の値段が高騰。

ピアノ自体、去年の12月にまた新たに 「値上がり」したそうです。

そのせいで、今国内にある中古ピアノの値段も高騰している。との事。

今と昔のピアノ。材質的に全然違います。

昔は、国内で「ピアノを作るのに最適な木材」が豊富だった。

今は輸入です。

だからこそ、円安$高のこの経済事情にもろ打撃を受けています。

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このようにピアノのハンマー部分を見せていただきました。

今回は、急激な温度変化によってピアノがびっくりしてしまい、ハンマーのアクションを司る針が「ぐらぐらとずれてしまった」のだそう。

この修理費は、今回は「お付き合い」とうことで0円でした。

ピアノ修理屋さんから「費用は掛かりません」と言われて目をあんぐりしました。

もしかしたら、この修理で 「○万、下手をすると○十万」

と言われてしまう可能性が非常に高い、というのが今回の趣旨です。

ピアノ調律師さんは、音だけをチューニングする人。

ピアノ修理士さんは、ピアノのドクター。

ボイストレーナーとの共通点は何でしょう?

ボイストレーナーとの共通点は、その方が一言おっしゃっていた。

「どんなことがあるかわからないので、自分だけが正しいピアノドクターだ」

と豪語する人には要注意と言っていました。

苦手なところは

経験が全て。

経験があってなんぼ。経験のデータの中に対応策があるのであれば、本物だと思います。

との事でした。

うーん。似ていますね。

長々拝読をありがとうございました。

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