喉の違和感?それって風邪じゃないかも。
まずタイトルにあります「ヒステリー球」、それってなあに? と思われた方、多いと思います。実はこの「ヒステリー球」を知ったのは、若いころにレッスンをしていた場所にお医者様がいらしていて、その時にポロリと聞いたのです。歌っている時にいつもより全体的に力んでいて、声がなかなかきれいに流れません。
「あら私もストレス球かしら?」 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄そう仰いました。
その時は「ストレス球」という聞きなれない言葉でしたが、色々調べるとそやつの正式名は
「ヒステリー球」だという事がわかりました。
別に風邪でもないのに、ガラガラする。そして、声が掠れたりもする。
これは実際にレッスン中に起こったことが何回かあることです。
例えばプレッシャー、そして、ストレス。歌ったり、台詞を言っていることによって、嫌な記憶がフラッシュバック。
フラッシュバックして、一時的な物なら良いのですがその一時的なストレスのはずが、
長期間一定のストレス、不安、悩み、自律神経の乱れに達するまでのプロセス。
を維持しすぎてしまうと、長期間同じような症状がおこります。
ストレスが長時間続くと、慢性的に声が枯れたり喉の違和感を覚えたりする。時には喉に異物感を感じることもある。
トレーニングでいつもと同じメニューをしても、いつものように声が出なかったりします。
なのでとてもわかり安いのです。
いつも、声と体のコンディションを見る時には下記のチェックをします。
- 普通に声を出してもらう。
- 違和感があったら、声以外の部分に原因がないかどうかを探る。姿勢、体の外観的変化(例えば左右のバランスを悪く立っていたり)
- 声そのものが原因の場合はスーパー脱力声でロングトーンで出していただく。
- 3で、声じゃなく「息だけの音」で出していただいたときに「すー」音に濁りがある場合は出来るまで繰り返す。(舌の位置を開けてみたり顎の位置を変えたり)
- 1~4を何度繰り返しても脱力が出来ない場合は、ヒステリー球を疑う事もあります。
ヒステリー球の解決法は案外シンプルだったりする。
普段、レッスン時には基本的に「カウンセリング」的な要素は入れませんが、
なにげなーく、その問題になっている部分をつっつくとひとりでに声が出てくる事、結構あります。
ちょうど私が勉強している臨床心理学の中の「転移」のドラノ症例(フロイト)も元々はヒステリーの臨床実験の中で発見された症例なのですが、自分の感情が「涙」という症状として
対象物に向けて発されることがあるのですが、
例えばその話をして「涙」が出た場合、目の前の対象=私に対しての涙ではなく
ご本人が一番意見を言いたい、感情をあらわにしたい相手への感情の症状としてでる涙という認識
を「転移」と言います。
ヒステリー球の除去の際には、このような症状を伴う事もあります。
何より、生徒さんがすっきりすると途端に声も出るようになるから驚きです。